“鳴く虫”専門店 〜鳴く虫処 AkiMushi 〜

 

高価ですが、先10年はコレを越えるものは出ないと思います。ご注文のはコチラから!

 

ついに発売です。ご注文の際はコチラからも!

 

幼虫の検索に便利!ご注文の際はコチラからも!

ホーム樹上性コオロギ類〔マツムシ・カンタン・クサヒバリなど〕

樹上または草上性コオロギ〔マツムシやクサヒバリなど〕

マツムシ・クサヒバリ・カンタン・カネタタキなどの種は、樹上、または草上種としてカテゴライズすることが出来き、当然、一生涯の殆どを草や木の上で生活するわけですので、飼育に際しても、植物体も一緒にケージの中に入れてやる必要があります。多くの場合で、各種類で依存する植物の強い好みが見られます。そのため、どの種の虫が、どの種の植物を好むかを知ることは、その種を飼育する上でとても重要なこととなります。まず最初に、どの植物が、どの鳴く虫に適しているかを、簡単にリストで紹介させていただきます。

鳴く虫 好みの植物① 好みの植物② 備考
マツムシ ススキなど大型のイネ科植物 ツユクサ ①は産卵場・②は良い餌になります。
カネタタキ  マサキなどの広葉樹の枝  アジサイの木化した枝  ①は持ちが良く、産卵もする・②は良い産卵場 
イソカネタタキ ハマユウなど海岸に多い植物 アジサイの木化した枝 マサキやサカキを利用しても良い。
カンタン クズなどのマメ科植物 ヨモギなどのキク科植物 ①、②ともに良い産卵場
コガタカンタン キイチゴ類の枝 クワの枝 生息場所はキイチゴ類の草上のみ。
クサヒバリ  クズなどのマメ科植物  ツユクサやイネ科植物  多くの植物に産卵が確認。 
キンヒバリ  カヤやアシなどのイネ科植物  ツユクサなど ①は産卵場・②にも産卵するかも? 
アオマツムシ  サクラやケヤキなどの広葉樹の枝  ツユクサなど  ①、②ともに良い餌。①は太い幹なら産卵場。 
マダラコオロギ 様々な植物 アジサイの木化した枝 ①は餌として、②は産卵場として

↑のように代表的な種類を簡単にまとめてみましたが、餌や産卵場としの効果以外にも、隠れ家や保湿・水分補給と言った、意味合いもありますので、仮に繁殖・産卵をさせない、餌は別の物を与えるといった場合でも、なんらかの植物を入れて飼育すると良いでしょう。

このほか、樹上、草上性種を飼育する上で注意すべき点は、彼らは“脱走”がうまいということです。表面に取っ掛かりが無いガラスなどでも垂直面を登ることができるので、プラケースなど間口の大きいケースで大量の個体を飼育すると開封時に一斉に脱走をはかり、収拾がつかなくなってしまいます。そのため、飼育の際は使用するケースの形状と、餌の入れ替えや掃除などのメンテナンス時にいかに逃げ出さないようにするかが、大きなポイントとなります。また、どんなに注意しても、メンテナンス時の脱走は起こってしまうことがありますので、もし逃げ出しても、すぐに対処できるよう、広く、物の少ないところで作業し、捕獲用道具も用意しておくと良いでしょう。


プラケースで飼育する

①      ②  ←プラケースを利用した最も一般的な飼い方です。

樹上性・草上性の種類を飼育するのにも、プラケースを利用するのが一般的ですが、これらの種類を飼育するには、彼らにとって依存性の高い、植物も飼育ケースに入れる必要があります。そのため、一般的なプラケースでは、“高さ”が足りず、植物を入れることが出来ないので、プラケースを写真のように縦に置いて利用します。飼育する虫の種類に適した植物を一緒に入れれば、ほぼ全ての樹上性種・草上性種の鳴く虫を飼育することが出来ます。基本的に樹上性・草上性のコオロギの仲間は、小型で乾燥には弱いことも多いので、殆どの種は、密閉度の高い“写真①”のようなプラケースで飼育すると良いと思いますが、マツムシやアオマツムシのように、比較的大型で、乾燥を好む、または乾燥に強い種類では、“写真②”のような通気性の良い、一般的なプラケースで飼育すると良いでしょう。

プラケース自体とても入手しやすい道具であるため、この方法が一般的な飼い方となっていますが、樹上、草上性種は立体的な活動が得意ですので、餌やりや霧吹きなどの管理時に、正面のフタを開けると、中の虫が一斉に脱走を図り収拾が付かなくなることがあります。そのため、複数の個体を一つのプラケースで飼育するのであれば、なんらかの加工をして、管理用の“小窓”でも付けない限りは、餌やり一つを挙げても、とても大変な作業になってしまいます。当店もプラケースで、これらの種を飼育する場合には、写真のような加工したタッパウェアーを取り付けて、その小窓から、餌の交換や、霧吹きなどの日常管理を行っております。写真のように、加工した小窓を取り付けるのはそれなりの作業になってしまうので、はんだ小手などで適度な大きさに穴を広げるか、溶かし切って、窓を作り、その穴をスポンジなどで埋めて、蓋代わりにしても良いです。〔見栄えはかなり悪いですが・・・〕穴の大きさは、直径で3㎝もあれば、日常で行う全ての作業はできます。

①     ② ←タッパーを利用した管理用小窓。餌やり、霧吹きがとても楽になります。


加工したプラケースで飼育する

①      ②  ←カンタン用に、産卵場にもなるキク科植物を植えました。

同じメーカーの同じサイズのプラケースを2個合わせて使用しています。<br>ある程度の加工は必要なものの、既存のプラケースをそのまま使うより、一部の鳴く虫にはとても便利に使えます。感覚としては、フードの付いたプランターといった感じで、土台になるプラケースには、飼育する鳴く虫に見合った植物を直接植え込みます。<br>土台プラケースの底部には、排水用に数個の穴を開けておくと良いです。フード(カバー)となる上部のプラケースは上面(本来は底部にあたる部分)を全て切り抜き、網を張ります。写真では、植木鉢用の鉢底ネットを使用しました。<br>このような方法であれば、鉢植えした植物をそのままプラケースに入れるよりも、使用植物の負担が少ないので、生きた植物に大きく依存する鳴く虫を飼育するのに適しています。<br>特にカンタンやクサヒバリなどでは、この方法で飼育し、虫が寿命で尽きてしまったあとでも、植物に卵が植えつけられていることがあるので、上手に管理すれば、翌年もまた鳴く虫を楽しむことが出来ます。

①  ② ←植え込みのキク類に産卵しているカンタン。


虫盒で飼う

 

鳴く虫飼育の本場中国では、クサヒバリやキンヒバリなどは、虫盒という専用のケースで飼育するのが伝統です。もともと、“何時何処に居ても”虫の声が聞きたいという観念から、生まれた飼育ケースですので、これに鳴く虫を入れて、肌身離さず持っているというのが、前提となります。私個人としては、最も、鳴く虫の良さが理解でき、鳴く虫自体に愛着がもてる飼育法だと思います。

このケースの中には専用の餌入れスペースが設けられていますが、大変小さく、入れた餌も一日もしないで乾燥してしまうので、必ず餌を毎日交換しなくてはなりません。餌といっても、このケースで飼育する場合には、水分補給の手段が餌以外には無いので、餌が乾く=水分補給ができないといった意味にもつながります。また、餌入れスペースも、中国伝統の“煮たお米”を入れるという前提で作られていますので、その他の餌は不向きな感もあります。しかし、この飼育ケースで、オスの単体飼育であれば、“煮たお米”のみを限定的に与えているだけで、十分に天寿を全うさせることもできます。ともかく、中国での鳴く虫飼育は、茶道や華道と同じく、道具や形式・手間などを含めたそのすべてを楽しむというスタイルですので、無駄な手間の増える虫盒は、現段階で、理解者の少ない日本では、なじみの無い飼育法といえます。虫盒について詳しくは、コチラもご参照ください。


ペットボトルで飼育する

①  ②  ←①はペットボトル2本分をつなぎ合わせた例。②はペットボトル1本分。〔何れも2ℓのボトルを使用〕

 樹上・草上種の場合は、飼育設備にある程度の高さが必要になります。そこで、透明で中の様子が見え、それなりに高さのある容器というと、ペットボトルがなにかと都合が良いのでは?と思います。ペットボトルなら、多くの方が日常的に消費しているものですので、入手も簡単で、ハサミやカッターといった一般家庭にある物だけでも加工が出来るので、都合に合わせて高さや通気穴の調節も可能です。また、基本サイズのボトルも500ml・1,5ℓ・2ℓなど多くサイズから選べ、虫の種類、数にあわせることが出来ます。上の写真のような加工をするだけで様々な種類の樹上・草上性種を飼育することが出来き、多くの種で累代も可能です。ただし、ペットボトル飼育も万能ではなく、本体の強度が貧弱なので、使用に際し常に不安がある・プラケースなどの飼育専用容器に比べ中の様子が確認し辛いなどの難点もあります。また、加工〔工作〕が苦手な人にとってはお手軽な飼育ケースとは言えませんし、何より、見栄えが既製品に比べ、著しく劣るというのは最大の欠点では?と思います。やはり鳴く虫とは言え“ペット”なのですから、飼育そのものも楽しむには見栄えも大事な要素の一つと考えております。現時点では、草上性コオロギ類専用飼育ケースたる商品は存在しないのが実情ですし、飼育する上で都合の良い容器も決して多くは無いので、ペットボトルでの飼育例を紹介させていただきましたが、いずれは、専用ケースといった趣のものも紹介できたらと考えております。

ペットボトルを利用した飼育ケースの作り方に関してですが、正確には“作り方”と言うのはありません。実際のところ、空のペットボトルに通気穴を開けるだけでも飼育ケースとして利用はできます。これを基準に、鉢植えした植物を入れる為の開閉口を作ったり、餌やりなど日常管理用の蓋を作ったりして、より飼育に適した容器に加工をしています。また、ペットボトルと言っても、メーカー・容量によりそれぞれ、形状は違いますので、利用するペットボトルによっては、2個つなげるのに無理があったり、しっくりした開閉口を作ることが難しい場合もありますので、臨機応変に作業できることが重要だと思います。参考になるかは分かりませんが、写真〔上〕①の製作の過程も紹介させていただきます。

 

 ←2ℓのペットボトル   

まず、ペットボトルを2本用意して、写真右のように、本体の上下をハサミやカッターで切り落とします。このとき、筒状になる本体部分の上下の径は同じ大きさになるところとで切るようにします。切り落とした底部は蓋として利用しますが、上部〔飲み口〕は使いませんので処分しても良いです。

 ←パーツとなった2個分のペットボトル   ←接合部分

同じように切った2個分ペットボトルを繋ぎ合わせれば一応は完成形となりますが、二枚ある底部分の内一枚は天窓となりますので、通気穴を開けます。また状況によっては、本体の筒部分にも通気穴を開けます。そして、パーツの接合ですが、全く同じペットボトルを利用し、同じ径になるように切り取っているので、本来ならうまくはめられないと思いますが、接合パーツの一方の四つ角を1㎝くらい縦に切ることにより、切った方には若干の伸縮性が出来ますので、思いのほかピッタリとフィットするようになります。これを応用して、パーツを繋ぎ゛あわせれば、全ての接合箇所は、接着の必要がなくなりますので、状況に応じて取り外しが可能になります。

  ←パーツをつなぎ合わせて、一応完成。

これで完成となります。内側の底部分は平坦では無く、植木鉢などを入れる場合にはとても不安定になりますので、少量のスズムシマットや砂などを敷き平らになる面を確保する必要があります。繰り返しになりますが、ペットボトルの種類によっては、このような加工が出来ない場合もありますし、逆に、より機能的に加工が出来るものもあるかもしれません。飼育する虫の種類、ニーズに合わせて試行錯誤してみてください。

 


枝用飼育ネットで飼育する

特定の樹木の汁や葉を餌とする虫を飼育する場合などでは、室内の限られた空間で餌となる樹木を育成することは困難ですので、屋外に生える樹木の枝にネットをかぶせ、枝用飼育ネットの中で昆虫を飼育・観察する方法が昔からあります。この方法は一部の鳴く虫にも有効で、生きた樹木に産卵する種、例えば、クサヒバリや、アオマツムシ、樹木に産卵するツユムシ類などに産卵させるには適した飼育方法の一つと言えます。

欠点しては、野外での飼育となりますので、なにかの間違いでネットが破れてしまい、中の虫が逃げてしまったら、ほぼ回収が不能になることです。限られた空間の中で飢餓状態になると、脱走を試み、ネットを齧ることがありますので、餌は十分に入れとくと安心です。あと、小さな隙間があったりすると、そこからアリが侵入し、中で飼育中の虫を捕食してしまう可能性もあります。室内で飼う場合と違い、飼育者の監視が届き難い事が多くなりますので、事故や逃亡の危険性も考慮した上で設置する必要があります。

枝用飼育ネットを代用して、植木鉢で飼う。

↑枝用飼育ネットを利用し写真のように飼育することも可能です。

この方法であれば、飼育できる種類の幅もより広がります。詳しくは、コチラをクリックして下さい。