“鳴く虫”専門店 〜鳴く虫処 AkiMushi 〜
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地上性コオロギ類〔エンマコオロギ・スズムシ・クチキコオロギ・クマスズムシ・スズ類など〕 プラスチックケースで飼育する プラケースでの飼育はコオロギ類・スズムシなどを飼育する上での標準的な飼い方といえます。 左側の写真①は、乾燥系の種類の飼育を想定していますが、この飼育法を基本に全ての地上性種の飼育が可能です。写真では、床に砂を薄く敷いてありますが、これは、コオロギが歩きやすくするためのものですので、乾燥に強い種類であれば、ケースの床を紙やすりで擦ってザラ付かせるだけでも問題ありません。多湿を好む種類を飼育するのであれば、砂に、多少の湿り気を与えます。ただし、砂が薄い分、蓋の種類によっては、すぐに乾燥してしまうので、写真①のような一般的なプラケースを使用する場合には、ケースと蓋の間に、ビニール製のコバエ防止シートか、適度に穴を開けたビニールなどををかませる必要があります。写真②のようなクリアケースシリーズ使用時でしたら、適度に湿度が保たれますので、そのままでも大丈夫です。この飼育法は砂を敷く場合でもあえて薄くすることで、産卵場所をなくしています。これにより、産卵させたい時に、別途で産卵場を用意すれば、短期間に集中して産卵をさせることができるので、後の孵化や卵の管理がしやすくなります。好みの産卵場所は種類によって異なりますので、“繁殖の基本”で紹介させていただきます。 養盆で飼育する 日本では、あまり馴染みの無い飼育方法であるが、コオロギの単体飼育・ペア飼育に特化した優れた飼育方法といえます。本来は“闘蟋”で戦わせるコオロギ戦士のための飼育法ですが、それだけに、地上性コオロギに限ぎっていえば、最も健康的に飼育ができ、長寿が期待出来ます。そのためスズムシやスズ類の飼育にはやや不向きな面があり、鳴き声も重視していないので、その声は殆ど聞こえなくなるという欠点もあります。また、毎日の世話は欠かせませんので、純粋に飼育が好きな人に向いています。 植木鉢で飼育する これも国内の愛好家にとってはあまり一般的な飼い方とは言えませんが、垂直面を上ることができない地上性コオロギ類ならではの飼いかたで、ガーデニングや盆栽のような趣もあり、鳴く虫の楽しさを最も凝縮したような飼い方といえます。利用する鉢の規模や、中に入れる虫の数にもよりますが、うまく自然に近い環境を作り出せれば、その中で、累代を繰り返し、何年もそのままで飼育を楽しむことが出来ます。 ここでは、作り方の一例を紹介します。 つぼ型の鉢サイズは、間口24cm高さ23cm まずは好みの鉢を用意しまが。中に入れた虫に逃げては困るので、選ぶポイントは、写真のように口部分が、くびれていたり、泥跳ね防止用の返しが付いているものか、内側全体、または口部分のみでも、ツルツルな作りものが良いです。当然、どちらの条件も満たしている鉢であれば、より脱走し辛くなります。鉢の大きさも、大きければ大きいほど、脱走の心配は少なくなり、中の環境も安定し易くなります。今回、用意した鉢では少し小さいくらいで、利用できる最低限のサイズと思ってください。 鉢を用意したら、写真右のように底穴に、土砂漏れ防止・害虫進入防止としてアミを敷きます。 ①ヤシガラ中目 ②赤玉土細目 ③特製砂 次は、床材〔コンポスト〕を入れていきます。使うコンポストは水はけ・通気性・保湿力等も考慮しますので、種類や入れていく順番があります。最初は、大粒で水はけの良いものを入れます。写真①では、ヤシガラの中目を使っています。ヤシガラは保湿力も高いので、多くの地上性種に有効です。比較的乾燥を好む“カワラスズ”などには、同じくらいの目の瓦礫〔砂利〕でもOKです。次は細目の赤玉土を敷きます。これは、最後に敷く砂が、ヤシガラの目を詰まらせないようにする堰の役割を果たし、後に植える植物のためにもなります。最後は産卵床にもなるコンポストを敷きます。ここでは、特製砂を使用しています。水はけ、孵化率ともに優秀です。最後に敷く特製砂は鈴虫マットに変更することもできますが、長期使用すると腐敗し、極端に孵化率が下がることと、それ自体も軽いので、水を撒く時にレイアウトも崩れ易く注意が必要となります。また水はけと通気があまりよくないので、植物にもあまりよくないです。ヤチスズなど、多湿を好む種類を飼育する場合以外はあまりおススメしません。それぞれの分量は、1対1対1で、合計で、鉢の高さの3分の1〜f半分くらいになるようにします。今回は鉢の高さがもともと低いので、ギリギリ3分の1くらいで調整しました。 床材〔コンポスト〕を敷き詰めたら、あとは、好みのレイアウトをします。植物は、小型の“屋久島ススキ”と、シダの仲間の“クラマゴケ”をチョイスしました。これらは園芸店でも売っていますが、道端に生えている雑草を使用してもなかなか良い味がでます。背の高い植物は脱走の足場になってしまうので、なるべく中央に植えます。植物を植えたら、写真②のような小物を配置していきますが、隠れ家が少ないと、穴を掘ったり、せっかく植えた植物を荒らすことがあるので、なるべく、枯れ草や鉢カケなども多くいれて、隠れ家を増やします。今回使用したものは、枯れ草・鉢カケを始め、竹炭、石で出来た水入れ、生の苔〔ハイゴケ〕、コルクの欠片、枯れ枝などです。レイアウトにルールはありませんので、お好みで配置していただければと思いますが、壁際に背の高いものを置くのは禁物です。はやり植物配置の注意事項と同様に、足場にされてしまうので、基本的に低めに配置し、背の高いものは、なるべく中心に持っていきます。それと、鉢内の環境になるべく差を付け、湿度の高いところ、乾燥したところと区分したほうが良いです。たとえば、鉢カケや、竹炭など、表面が乾燥しやすいものは、なるべく一角にまとめ、水入れや生苔など水っぽいものは、対照的な位置でまとめます。全てのアイテムを配置したら、最後にジョウロなどで水を撒きます。最初は底穴から泥水が出ますが、透明なったらOK。 その後のメンテナンス この中で3年間エゾスズが累代しています。 |
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